おこたんちへ ようこそ
私には2人の息子がいます。
次男が中学2年生の時のお話です。
次男も長男と同じ寮のある学校へ進学していました。
次男は1月生まれなので、
12歳になった3か月後に親元を離れて寮生活をスタートさせました。
次男は生まれた時から、お兄ちゃんがいてママがいるのが当たり前でした。
2人目以降のお子さんて、そうですよね。
常にお兄ちゃんの行事に付いていって、
飴をもらって、
ママの膝の上で大人しくしている子でした。
なので
、自分の幼稚園の入園式もママから離れられなくて笑
講堂で新入園児が三角すわりしている集団の中で、
私は正座してその膝の上に次男が座る
という何とも笑える入園式を思い出します。
ちなみに、
その後1週間、
幼稚園の前まで楽しくママとお手々つないで登園するのですが、
先生のお顔を見ると離れたくなくて
「ママー」
と号泣していました。
そんな子が、自ら
「お兄ちゃんと同じ学校にいく」
と言い、
受験をして入学という事になりました。
有難いことに次男と共に生活をしてくださる先生が、とても慈悲深い先生でした。
子どもと同じように遊び心があり、
ダメなことはダメだと叱ってくださる先生でした。
生活全般に関わりをもって、
指導してくださるお蔭で、
長男の様に生活で困り果てるという事は無く過ごせました。
私も母親として、毎日毎日はがきを書いて出しました。
身体は離れて生活をしてても、
心は常に共にあるよと
いう気持ちを込めて書きました。
次男も「先生から毎日受け取るはがきが嬉しかった」
と言ってくれていました。
[いつも元気でいてくれて、ありがとう]
という言葉には意味があるんだろうと思っていた。
と話してくれた時(高校3年生)は、嬉しかったです。
そんな次男が1度だけ、寮生活で私を困らせてくれた事があります。
中学2年生の時です。
この時は、生活を共にしてくださる先生は代わっていました。
毎年、違う先生になるのです。
10月に先生と面談できる機会があります。
その時、先生が最後に私に言ったことが
先「私の寮では、風呂に入った後、
それぞれの風呂道具は
それぞれに片付けて管理する
と決まっています。
もし、決まりを破ったら捨てる
ということになっています。」
お「はぁ。そうなんですか・・・」
次男君は、
夏休み前に風呂場に出しっぱなしにして、
家に帰ってしまったので、
私が捨てました
お「え?・・・」
先「決まりですから!」
お「そうなんですか。
それはご迷惑をお掛けしました」
それでですね。
次男君、自分の道具が無いから
と他の子に使わせてもらってるみたいなんですよ。
ちょっと迷惑なんで、
用意してあげてください
お「そうなんですか。
申し訳ありません」
もう!! 頭の中で「捨てる?
捨てるか?
おかしいんとちゃう?」
となりました。
ですが、
何事もなかったかのように
長男と次男を連れて買い物に出かけました。
先ずは、お茶とスイーツを食べさせながら、
次男に
「買う物があるでしょ?」
と尋ねてみても
「無いよ」。
お「お風呂道具が全部ないんでしょ?」
次「なんで知ってるの?
ちょっと見つからないんだよね。
でも!
きっと見つかるから買わなくていい」
お「でも、シャンプーや石鹸がないと困るやん」
次「友達に借りてるから大丈夫」
お「いつまでも借りる訳にいけへんやん」
次「それは悪いと思ってるけど、わざわざ買わなくてもいい」
お「買った方がいいから」
次「見つけるからいいよ」
お「見つからないから、買おうって言ってるの」
次「なんで、見つからないの。
どこかにあるよ」
お「先生が捨てたから、ないの。
夏休み前に風呂場に置きっぱなしになってたらしくて、
先生が決まりだからって捨てたんだって」
次男は驚いてました。
そりゃそうです。
次「寮に戻ったらなかったから、探したんだけどなくて。
先生に「知りませんか?」て訊いたんだよ。
そしたら先生は「知らない」て言ったんだよ」
と言って泣き出しました。
次男は嘘つかれた事にショック
それまで黙っていた長男が
「どこの寮でも同じ決め事を作ってて、
みんな気を付けるようにするんだよ。
でも
、先生は片付けてない物を没収して
本人に注意して返すんだよ。
捨てないよ」
と経験談を語ってくれました。
きっと没収されて注意された経験ありですよね笑
私も[生徒の持ち物を捨てる]
っという感覚が理解できずにいました。
えっと・・・
物を大切にしよう!
物を用意してくれた親に感謝しよう!
と教える立場の先生ですよね?
ですよ頭の中は!!
ですが、
次男が感じていたのは別の事でした。
先生が・・・
大人が嘘をついていいのか?
と怒っていたんです。
正直、本当にびっくりしました。
・・・何て!
きれいな心なんだろう!!・・・
子どもの心って、
こんなにも純粋でキラキラしているんですね。
捨てられた物にこだわっていた自分が恥ずかしくなりました。
同時に、困りました。
「大人は嘘をつくんだよ」
とも言えません。
「あの先生、ママは前から嫌いだった」
とも言えません。
誰か~助けて~!!
なんで、この瞬間に夫はいないのよ~泣(PTA会議です)
長男が
「大人でもいろんな人がいてる。
あの人はそういう人だ」
と言ってくれましたが、次男は納得せず泣
先生に「あの人」って…おいおい。
と思いつつスルー笑
大人でも子どもでも世の中には、色々な人がいてるのは、わかるよね。
それぞれに価値観が違うっていうのもわかる?
次「わかるよ」
人はそれぞれに正しいと思うことも違うの。
だから、今回の事はそのことを学ぶきっかけを神様がくれたの。
色々な価値観の他人を受け容れていく
ってことが、大人になるってことなの。
わかる?
次「わかるよ。
でも先生が嘘つくのは許されるのか!」
お「先生だって普通の人なんだよ」
次「大人なのに・・・」
お「せやな・・・。
いややったな・・・」
これからまだ一緒に生活していく大人である先生の悪口を言うのは、あまりにも可哀想で言えませんでした。
ですが、この出来事を前向きに捉え、自分の心の許容量を増やせるか否かは次男次第です。
私は親として、懐の深い大きい男に成長することを願うばかりでした。
高校3年生にもなると、
その先生と生徒会運営を一緒にしていくという経験をしていて、
先生を下の名前(ファーストネーム)で〇〇さんって呼ぶ仲になっていました。
またまた、驚きました。
私はまだ十分根に持っていましたから笑
次男は、私が望んだ以上の男に成長していました!!
その心の許容量を見習わなくちゃ!!
と強く思ったおこたんなのでした。
ではまた、ゴロゴロしに遊びきてくださいね♡